地方公務員:資格・検定用語集

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地方公務員

地方自治体の職員として、予算を考慮しながら下水道を整備したり、学校や保育所をつくったりして住民がよりよい生活送れるように環境を整える。地方自治体には衛星、土木、産業、教育、総務、企画など幅広い部門がある。採用区分には一般行政職と専門職がある。上級、中級、初級などの区分があるが、名称は自治体によって異なる。

仕事の内容

地方公務員は都道府県、政令指定都市、市町村といった地方公共団体で働く公務員です。国家公務員と同様、特別職(知事、市町村長、審議会委員など)と一般職に分かれていますが、試験によって採用される職員はほとんどが一般職です。
職種は事務職と技術職に大別されます。事務職は「行政」という区分で採用された職員で、条例の立案、行政施策の企画、人事、財務、広報、統計、公共施設の建設計画や管理、事業の許認可、環境安全対策、戸籍・住民登録や各種の証明書の交付など、さまざまな行政事務に携わります。

行政区分の職員は、一般的には何年かのサイクルで各部局を異動していきます。

技術系の職員の仕事は、建築、土木、電気、機械、化学、農業、農業土木、水産、林業、食品衛生、衛生、福祉指導、心理なdの各専門分野に分かれています。技術系の職員の場合は、同種の職場へ移動することはあっても、専門分野の異なる業務に就くことはありません。

職種は試験区分に対応していますが、試験区分の数や種類は自治体によって異なります。
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資格について

地方公務員の試験は上級(またはⅠ類、大卒程度)、中級(またはⅡ類、短大卒程度)、初級(またはⅢ類、高卒程度)に分かれています。大卒、短大卒、高卒というのは試験の学力レベルのことであって、多くの自治体では学歴そのものは問われません。

自治体によっては、一部の職種に限り、職務経験者を対象に口頭試問などを行って採用する「選考」枠を設けています。

問い合わせ先
都道府県・政令指定都市の人事委員会事務局、市町村の人事部
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受験方法

●受験の方法
【受験資格】
どの自治体にも年齢制限がありますが、その幅は自治体によって異なります。おおむねは次のとおりです。

上級 満21~22歳以上 満28~30歳未満
中級 満19~20歳以上 満26~28歳未満
初級 満17~18歳以上 満21~22歳未満

また職種によっては、獣医師、薬剤師、栄養士、司書などの資格を取得していることが応募条件となっている場合があります。

【受験スケジュール】
都道府県の試験では、中級という採用区分がない自治体や、年度によって中級試験が行われない場合もあります。市町村の採用試験は毎年必ず実施されるとは限らず、試験日程にもかなりの幅があります。都道府県の上級、初級の試験日程はおおむね次のとおりです。

上級
願書受付(5月中旬~6月上旬)→1次試験(6月下旬)・2次試験(7月下旬~8月上旬)→合格発表(8月下旬~9月上旬)

初級
願書受付(8月ごろ)→1次試験(9月下旬)・2次試験(10月下旬)→合格発表(11月ごろ)

●試験区分
試験区分(募集職種)は、行政(または事務)はどこの自治体でも募集していますが、それ以外の建築、土木、農業、福祉などの区分は自治体・年度によりことなります。

●試験科目
自治体により異なりますが、おおむね次のとおりです
上・中級 1次/教養試験(択一式)、専門試験(択一式)など
      2次/論文、専門試験(記述式)、面接など
初級   1次/教養試験(択一式)、適性試験、作文など
      2次/面接など

●試験会場
中級、上級試験は東京で受験できる自治体もあります。
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採用までのプロセス

2次試験の合格者は、試験区分ごとに成績順に「採用候補者名簿」に記載され、採用枠に応じて成績が上位の者から登用されます。採用候補者名簿の有効期間は1年です。ただ地方公務員の場合は、合格しても若干の辞退者が出たり、募集職種に必要な資格が取得できなかったために内定が取り消される人も出てくるので、名簿の有効期限が切れて不採用になるケースはごく少数です。

名簿が作成されたあとは、採用担当者から意思確認のために意向調査と面談があり、採用が内定します。
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学習方法

地方公務員の試験は、自治体によって採用区分、受験資格、試験区分、試験科目、出題内容、日程などが異なります。ですから、まず自分が受験したい自治体の試験概要を調べなければなりません。募集要項は3月から5月ごろにかけて、「採用公告」という形で官報や新聞、受験情報誌などに発表されます。前もって公告日を知りたければ、人事委員会事務局に問い合わせてみましょう。

試験の出題傾向も自治体によってパターンがありますから、市販の参考書・問題集や受験指導校のガイダンスでチェックし、受験する自治体にあった勉強をする必要があります。

教養試験、専門試験とも参考書を読むだけでなく、何度も問題にあたって択一式の解答に慣れるようにします。教養試験の一般知識分野(社会、人文、自然科学の三分野から出題)は、一定の問題数を選んで解答する選択解答制を取り入れている自治体が多くなっていますから、得意分野を広げるように努力しましょう。一般知能分野(文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈)は知能テストに近い内容ですから、問題数をこなして要領をつかみます。

論文試験は大卒程度、作文試験は高卒程度の試験で実施されています。どちらも過去3~4年の出題テーマを調べ、実際に文章を書いてみます。できれば誰かによんでもらうとよいでしょう。

地方公務員試験は地域の諸問題が反映されますから、自分が受験する自治体の統計資料、議会の報告書、地方新聞にも目を通しておくようにしましょう。
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適性と資質

地方公務員の待遇は条例にもとづいて定められており、経済的には安定しています。仕事、給料、昇進に関して性別による差別はなく、育児休業制度を導入している自治体も多く、女性が勤務しやすい職場となっています。

そうした待遇が受けられるのは、地域住民全体の奉仕者として、公共性の高い仕事をしているからです。地方公務員は特定の個人や団体の便宜を図るのではなく、常に住民全体の利益を考えて仕事をしなければなりません。地域の人々の声によく耳を傾け、行動できるようでなければならないのです。
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