キツネノボタン:メディカルハーブ・アロマ事典

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キツネノボタン

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 キツネノボタンは多年生の草本。日本各地に分布し、水田周辺の水路や溝、畦などに生育する。このような場所には同属のタガラシも生育するが、タガラシが一年生草本であるので、耕作などの攪乱があっても生育できるのに比べ、キツネノボタンは多年生の草本であるので、耕作される水田の中に生育することはない。

 「狐(きつね)の牡丹(ぼたん)」の名は、キツネの住むような野原に生え、葉がボタンを思わせることによるとされる。

 葉は3つの小葉に分かれ、それぞれの小葉にはさらに1、2カ所の深い裂け目がある。果実は小さな粒が集まってできた球形で、先がとがり、下向きに曲がった多数のトゲがあり、コンペイ糖を思わせる。

 茎や葉の柄に毛が多く、果実のトゲの先がほとんど曲がらないものを、特に区別して、ケキツネノボタンと呼ぶ。 似たものに、ウマノアシガタがある。こちらは、やや乾いた場所を好み、根元から出る葉は、小葉に分かれず、やや深く三つに裂け、花も1.5~2センチと、やや大きい。

 開花期の水洗いした生葉を豆粒大に切り取り、手首の内側に5~10分張りつけると赤くはれるが、扁桃炎(へんとうえん)によいとされる。ただし、有毒成分を含むため、取り扱いに十分注意したい。

 【毒草についての注意】
 有毒成分を含む植物には下痢程度でおさまるものから、致命的なものまで幅がある。

 含有されるアルカロイド類が関与する場合が多い。特に毒草が多い科は、ナス科(ハシリドコロ、朝鮮朝顔、芽の生えたジャガイモなど)、キンポウゲ科(トリカブト、ウマノアシガタなど)、トウダイグサ科(ノウルシ、コニシキソウ、キャッサバなど)、ヒガンバナ科(スイセンなど)ケシ科(ケシ、タケニグサなど)、キョウチクトウ科(キョウチクトウ、日々草など)であり、これらの科の植物には特に注意を要する。

 また、他の科の植物でも、ニガヨモギ(キク科)、スズラン(ユリ科)、ドクゼリ(セリ科)、オシロイバナ(オシロイバナ科)など、身近な植物にもちらほら散見するので、安易に食べないのが賢明である。

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