スターアニス:メディカルハーブ・アロマ事典

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スターアニス

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 トウシキミの果実を乾燥させたものはスターアニス、八角(はっかく)、八角茴香(はっかくういきょう)、あるいは大茴香(だいういきょう)とも呼ばれる香辛料である。実の形は八つの角を持つ星形をしていて、アニスやウイキョウに似た良い香りがあるためこれらの名がある。主に中華料理に使われ、他のスパイスと混ぜて「五香粉」として使われる。

 トウシキミは中国原産のシキミ科の常緑高木である。学名はIllicium verum。花は赤褐色で果実は香辛料になる。

 また、果実の成分のひとつであるシキミ酸はインフルエンザ治療薬タミフルの合成原料のひとつとして使用されているが、直接果実を食べてもインフルエンザには効かない。

 果実は直径3~3.5cmで、6~8片の星形で熟すと茶褐色の木質になり、やがて各片が裂けて、中からつやのある茶色の扁円形の種子が1個ずつこぼれる。この果実の、とくに木質の莢はよい香りがあり、粉にしたものが中華料理の香辛料五香粉(ウーシャン)の材料である。

 フェンネル(ウイキョウ)やアニスに似た風味と苦味もそなえている。ダイウイキョウの木は、インド南部やインドシナ地域で栽培されており、果実は未熟のうちに採取して乾燥するか、ただちに成分の揮発性の芳香油、ダイウイキョウ油を採る。共に料理のスパイスとするが、これは東洋独特のものらしく、西欧人は用いないという。そのせいか、欧米の著名なスパイスの専門書にも、Star aniseはのっているが、図が不正確だったり、日本産のシキミの図が描かれていたりすることが多いそうだ。

 ダイウイキョウはスパイスのほか、健胃剤、風邪薬、浴湯料にも使われる。ダイウイキョウの精油の成分は、プロトカテク酸(Protocatechuic acid)、シキミン酸(Shikiminic acid)およびアネトール(Anethol)で、3~5%含まれる。

 日本のシキミはダイウイキョウが赤い花であるのに対し黄色の花であり、全く別の種である。しかし果実・種子ともにこのダイウイキョウとよく似ている。しかしこれは猛毒性なので、もし混入しているとひどい中毒をおこすから注意を要する。

 [香り]
 アニスに似たしみとおるような香り。

 [相性のいい精油]
 カルダモン、キャラウェイ、コリアンダー

 [植物の特徴]
 高さ9メートルほどの木は東アジア以外ではあまり育ちません。特徴的な星型の果実がまだ熟していない緑色のときに採取して、エッセンシャルオイル(精油)を取ります。

 [芳香剤としての歴史]
 アジアを中心に食欲増進剤を始めとする医薬として使われてきました。16世紀にヨーロッパに渡ってからはリキュールの香りづけに多用されるようになりました。

 [ヒーリング作用]
 去痰作用、駆風作用、健胃作用

 [肌への効果]
 よく分かっていません。ただしパワフルな精油なので、アロマテラピーではあまり使われません。

 [精神作用]
 精神を刺激し、元気づける作用があります。

 [身体的作用]
 消化器系全体に優れた作用をもち、胃腸の調子を整え、便秘にも効きます。また女性ホルモンの分泌を促すことにより、月経前緊張や生理痛を和らげる働きがあります。

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