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コバイケイソウ
コバイケイソウは、夏の山で、ごく普通に見られる高山植物の一つ。単にコバイケイともいう。湿原や湿潤な草地に群生する多年草で丈は0.5-1m。真ん中の花穂は雌雄両性で、脇の花穂は雄花で実はならない。数年に一度大満開になる。根茎にアルカロイドを含む有毒植物であるが、有毒とわかっていても、雪解け後の新芽はオオバギボウシの新芽を思わせ、うまそうに見える。近縁のバイケイソウは針葉樹林の縁や林床に生え、花穂が細く花数も少なく、緑白色の花をつける。
バイケイソウの花が梅に似ており、葉は蕙蘭に似ているために、「梅蕙草」。そこから類種の高山型のコバイケイソウ(小梅蕙草)の名がつけられた。しかし、コバイケイソウの花は、小型のお椀型で白ないしクリーム色。
コバイケイソウの若芽は、オオバギボウシ(山菜名はウルイ)と似ており、中毒例が後を絶たない。
【毒草についての注意】
有毒成分を含む植物には下痢程度でおさまるものから、致命的なものまで幅がある。
含有されるアルカロイド類が関与する場合が多い。特に毒草が多い科は、ナス科(ハシリドコロ、朝鮮朝顔、芽の生えたジャガイモなど)、キンポウゲ科(トリカブト、ウマノアシガタなど)、トウダイグサ科(ノウルシ、コニシキソウ、キャッサバなど)、ヒガンバナ科(スイセンなど)ケシ科(ケシ、タケニグサなど)、キョウチクトウ科(キョウチクトウ、日々草など)であり、これらの科の植物には特に注意を要する。
また、他の科の植物でも、ニガヨモギ(キク科)、スズラン(ユリ科)、ドクゼリ(セリ科)、オシロイバナ(オシロイバナ科)など、身近な植物にもちらほら散見するので、安易に食べないのが賢明である。
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