クチナシ:メディカルハーブ・アロマ事典

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クチナシ

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 クチナシ(梔子)は、アカネ科・クチナシ属の常緑低木。

 高さ1m-3mほどで、葉はつやがある。スズメガに典型的な尻尾をもつイモムシがつくが、これはオオスカシバの幼虫である。

 東アジアに広く分布し、日本では本州南部以南で山野に自生する。森林の低木として出現するが、人家周辺に栽培されることの方が多い。ただし、クチナシを植えるとアリが来るといって敬遠する例もある。

 古くに延喜(えんぎ・918)18年ころに深根輔仁(ふかねすけひと)があらわした日本で最古の植物名が記された書物の「本草和名(ほんぞうわみょう)」には、久知奈之(くちなし)として収載されている。

 花型には、一重咲きと八重咲きがある。矮性種や、斑入り葉の品種、花が黄色く変化する品種なども出回っている。「ガーデニア」の名で売られているのは、大輪八重咲きのオオヤエクチナシである。花も葉も大型で、地植えすると、高さ数mに育つ。 矮性種のコクチナシも、八重咲きの種類。非常に小型で、高さ40cm程度にしかならない。鉢植えに向く。

 「実成りクチナシ」も矮性だが、これは一重咲きの種類である。秋に、赤橙色の果実をたくさん付ける。花の強い香りは有名。かなり遠くからでも、クチナシが咲いているとわかるほど。花色は白だが、時間が経つにつれ、クリーム色に変化する。花は、食用にもなる。

 果実から黄色の天然色素が採れ、タクアンの色付けに使われる。完熟しても果実が裂開しないので「口無し」の名があるという。(クチナシの名前の由来については諸説あり。)なお、八重咲き種は、果実ができない。

 挿し木で簡単にふやすことができる。春に行う方法と初夏に行う方法がある。

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