セイヨウノコギリソウ(ヤロウ):メディカルハーブ・アロマ事典

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セイヨウノコギリソウ(ヤロウ)

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 セイヨウノコギリソウはヨーロッパからイラン、シベリア、ヒマラヤに原産する多年草の帰化植物。近年、ワイルドフラワーによる緑化に使用された結果、路傍などによく見られるようになってきた。全国の路傍や法面、草地などに生育している。英名はヤロウ。

 地下茎によって個体を増やすので、群生する傾向がある。葉は2回~3回、深く羽状に分裂するので、ノコギリのイメージはない。根生葉は3回羽状となり、茎葉は2回羽状に分裂する。6月から9月にかけ、高さ50~100cmの茎の先端に多数の花を付ける。頭花の直径は3~5mm。舌状花は5枚であることが多く、白色のものが多いが、時として赤味を帯びるものもある。

 香りはセイジ風で爽やか、葉は切り込みの深い鋸歯状で美しい。痛み止め、止血にすぐれた薬効があります。春に苗を植えると、6月から秋まで花を楽しむことができます。葉は、開花前の若葉を摘んでサラダやおひたし、ソティーに使います。ビタミンやミネラルも豊富。ドライの花と葉はティーやポプリに使います。

 荒地にもよく育ち、株間は30cm以上のゆとりをとり、広い場所に植えると、花材としての、すぐれた美しさが発揮できます。また花を湯に浸し、フェイシャルスチームに使います。

 少し地味な感じのするセイヨウノコギリソウ(ヤロウ)ですが、優れた治癒能力、病気に対する抵抗力などで効力を発揮します。発汗作用を促して、毒素を体外へ放出させるので、風邪をひいたときに飲むとよいでしょう。血行を促して血圧を下げたり、痔や無月経の症状の改善にも効果的です。冷ましたハーブティは傷口の消毎薬にもなります。ギザギザの葉が特徴で昔から「兵士の傷薬」と呼ばれ,生の葉は傷の治療薬として知られています。

 【ハーブティーとして】
 体が冷えるとき
 汗をかきたいとき

 セイヨウノコギリソウ(ヤロウ)は多量に使用すると頭痛やめまいを起こすことがるので、一回の使用量を少なくしてください。妊娠中は使用を避けてください。また、キク科アレルギーの人は摂取を避けてください。

 [香り]
 甘くてスパイシーな軽い香り。

 [相性のいい精油]
 アンジェリカ、クラリセージ、ジュニパー

 [植物の特徴]
 原産地はヨーロッパ、西アジア、北米。道端でよく見かける草でピンクや白の花の先端を蒸留してエッセンシャルオイル(精油)を抽出します。

 [芳香剤としての歴史]
 昔から万病に効くと考えられてきました。ビールなどの飲料に香りづけとして混ぜる風習もありました。

 [ヒーリング作用]
 強壮作用、去痰作用、解熱作用

 [肌への効果]
 切り傷やあかぎれを治すほか、肌を引き締める作用があります。髪の毛のコンディショナーにも使われます。

 [精神作用]
 気力の衰えに効きます。

 [身体的作用]
 一種のホルモン作用をすることから、月経不順を解決し、更年期障害や卵巣炎、子宮筋腫の症状を緩和します。骨髄に作用して血液の生成を刺激促進するほか、静脈瘤や痔疾にも効きます。

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