没薬(もつやく:ミルラ):メディカルハーブ・アロマ事典

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没薬(もつやく:ミルラ)

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 没薬(もつやく)とは、フウロソウ目カンラン科コンミフォラ属(ミルラノキ属)の樹木から分泌される樹脂のことである。ミルラとも呼ばれている。

 コンミフォラ属の樹木はインドから南アラビア、東アフリカ、マダガスカルに分布している。これらの樹皮から分泌される樹液は、空気に触れると赤褐色の涙滴状に固まり、表面に細かい粉を吹いたような状態となる。ギリシア神話においては、ミルラノキはアドニスの母であるキプロスの王女ミュラが変身させられた姿であり、その流す涙が没薬であるとされている。 商業的な生産には樹皮に傷をつけてそこから分泌される樹脂を集めたり、樹皮をはいでその下の樹脂層をかきとる方法が行われる。

 数千年もの間、「東洋の宝」の1つに数えられてきたミルラは、アラビアとソマリアイエメン、に生育する潅木の幹からとれる油性、ゴム質の樹脂です。古代エジプトの主婦は、屋内でミルラの粒を燃やしてノミを駆除しました。民医療では、筋肉痛やリウマチの膏薬に配合されました。

 中国では没薬と呼ばれ、少なくとも唐の時代から、主に傷薬あるいは活血薬として用いられています。

 [香り]
 スモーキーでややジャコウを思わせる香り。

 [相性のいい精油]
 安息香、ガルバナム、クローブ

 [植物の特徴]
 原産地は北アフリカとアジア。灰色をした樹皮に傷をつけ、しみでてきた樹脂を蒸留してエッセンシャルオイル(精油)を抽出します。

 [芳香剤としての歴史]
 古代の昔から香油や軟膏の成分、化粧品として使われてきました。消毒特性や抗炎症特性から戦争に持参されることも多かったようです。

 [ヒーリング作用]
 強壮作用、去痰作用、駆風作用

 [肌への効果]
 強力な保護特性があり、組織の変質を食い止めて壊疽や床ずれなどの進行を妨げます。

 [精神作用]
 無気力な精神状態に刺激を与え、心を高揚させます。

 [身体的作用]
 口腔と歯茎のトラブルを解決する作用があり、口内炎や歯槽膿漏(しそうのうろう)の症状を和らげます。胃酸の発酵による口臭にも効き目があります。少量月経、カンジダ性膣炎な婦人科のトラブルにも効き目があります。

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