クズ:メディカルハーブ・アロマ事典

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クズ

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 クズは、マメ科のつる性多年草の名前で葛の文字を当てる。葛の根の部分を用いて食品の葛粉や漢方薬が作られる。秋の七草の一つ。

 クズは日本各地に分布し、東~東南アジアに広く分布するツル植物。8月のおわり頃から9月にかけて房状の花を咲かせるが、花は葉群の下になって目立たない。伐採跡地や放棄畑、道路端などに繁茂し、大群落を形成していることも多い。盛夏には1日で1m程も伸びると言われるほど成長し、太い茎を伸ばして繁茂する。林業的にはせっかく植栽した樹木に巻き付いてしまう害草でもある。

 多年生草本に分類されるが、長らく生きたものは木本といってもよいほど太くなる。根には大量のデンプンが貯蔵されており、これからクズ粉を採る。繁殖は種子からの発芽の他に、地上を伸びる茎の所々から根を出し、株を広げる。

 種子は短期間で発芽するものと長期間休眠して伐採などの森林破壊の際に発芽してくるタイプがある。クズはマメ科植物であるので痩せ地にも生育できる。  クズの名前の由来は、神武天皇東征に絶大な功績があった、磐排別(いわおしわく)の子供の名前、大和国・奈良県の国栖(くず)が、デンプン・葛粉(くずこ)の産地であり、この国栖(くず)の人々が京都に売りに来たことから由来するとされている。

 解熱、鎮徑(ちんけい)、脳冠状血管血流増加作用や血糖降下、女性ホルモン様作用があり、発汗解熱効果がすぐれている。漢方薬の葛根湯(かっこんとう)、桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)などに配合され、漢方薬に最も多く配合される薬草のひとつである。葛根(かっこん)は主に漢方処方の葛根湯の主薬となり、葛粉からつくる葛湯(くずゆ)は、風邪などの時に用いるとよく効き目があり、寒気や熱をとり、のどの渇きや下痢をとめるといわれる。

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