ヨウシュヤマゴボウ:メディカルハーブ・アロマ事典

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ヨウシュヤマゴボウ

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 ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)は、ヤマゴボウ属に属する多年草で、アメリカヤマゴボウとも呼ばれる。別名の通り北米原産の帰化植物で、明治時代初期以降、日本各地で雑草化している。

 ヨウシュヤマゴボウは毒草で、全体にわたって毒がある。毒成分は、フィトラッカトキシンとフィトラッキゲニンである。誤食すると、嘔吐や下痢が起こり、さらに中枢神経麻痺から痙攣、意識障害が生じ、最悪の場合呼吸障害や心臓麻痺により死に至る。

 ヨウシュヤマゴボウの茎は無毛で赤く、根は太く長い。葉は大きく、秋になると紅葉する。花は小さく、薄紅色で、夏の時期に扁平な実をつけ、秋の初旬に黒く熟す。熟した実は柔らかく、潰すと赤紫色の果汁が出る。この果汁は強い染料で、服や人体に付くとなかなか落ちない。この特性のため、アメリカではインクベリーとも呼ばれている。アメリカでは、かつて着色料としてワインなどに用いられたが、毒性があるため現在は使用されていない。また、若い茎と葉を茹でて食用にしていた時期もある。

 【毒草についての注意】
 有毒成分を含む植物には下痢程度でおさまるものから、致命的なものまで幅がある。

 含有されるアルカロイド類が関与する場合が多い。特に毒草が多い科は、ナス科(ハシリドコロ、朝鮮朝顔、芽の生えたジャガイモなど)、キンポウゲ科(トリカブト、ウマノアシガタなど)、トウダイグサ科(ノウルシ、コニシキソウ、キャッサバなど)、ヒガンバナ科(スイセンなど)ケシ科(ケシ、タケニグサなど)、キョウチクトウ科(キョウチクトウ、日々草など)であり、これらの科の植物には特に注意を要する。

 また、他の科の植物でも、ニガヨモギ(キク科)、スズラン(ユリ科)、ドクゼリ(セリ科)、オシロイバナ(オシロイバナ科)など、身近な植物にもちらほら散見するので、安易に食べないのが賢明である。

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